図面上の高さを示す表記・記号の意味の説明

図面を書く読む上で大切なのが、高さの基準と記号です。
高さ表記・記号が多々あり、図面によって表現の仕方が様々です。それぞれの図面の高さを示す表記の意味と、その基準を下記にまとめました。

<定義が図面作成者によって違う高さ表記>
<定義が統一されている高さ表記>
<追加補足情報の高さ表記>

DLとCDLの違いとは

基本水準面を示す表記にDLとCDLが使われております。そもそも「datum」の意味は「基準線や面」で、「chart」の意味は海図です。直訳すると「datum level」は基準面高さ、「chart datum level」は海図用基準面高さです。DLとCDLの違いを調べていると、どうやら行政によって使い方が違うようです。

DLとCDL
使用行政
気象庁 DLを潮位の観測基準面の高さとしている。
国土交通省国土地理院 験潮という潮位を測定する作業を行っているが、CDLもDLも使用していないようである。しかし気象庁がDL、海上保安庁がDL,CDLと呼ぶ「観測基準面」を、国土地理院では「Local Reference Datum」と呼んでいる。
海上保安庁海洋情報部 基本水準面の意味でDLもCDLも使う。(過去に最低水面の意味でDLを使っていたが、そのページは削除されたようである。)今は最低水面=略最低低潮面(NLLW:Nearly Lowest Low Water)としているようだ。参考「海洋情報部研究報告第57号平成31年3月28日諸外国の事例にみる鉛直基準面モデル構築の取り組み」

DL=CDL=基本水準面と、使い分けは無くしてしまうのがいいかもしれませんね。

海関連は潮位が変化するため、深さ関連の用語が多く非常に厄介なので注意が必要です。
海の深さを表そうとすると、深さ0の基準が必要となります。じゃあその0を決めるのに、とある基準(どこかの地点にある金属標など)から下に1mと決めるわけです。
これを用語を使って言うと
海の深さを表そうとすると、深さ0の基準「最低水面=略最低低潮面(NLLW:Nearly Lowest Low Water)」が必要となります。じゃあその「最低水面」を決めるのに、とある基準「CDL=DL=基本水準面」から下に1m「海保の定めるZ0という数字」と決めるわけです。
ここで気を付けなければいけないのはCDLもDLもZ0も場所によって違うということ。A港は△△金属標をCDLとしてるけど、B港は○○金属標をCDLにしてるなんてことなわけです。Z0も場所によって値は違います。

記事を書いた日2017年9月

文責 ellery459

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